書籍

赤めだか

ブックマークだとタイトルがいじりにくいので日記でリンク。 http://aruhenshu.exblog.jp/tb/9943413 現状には理由があるので、そこをしっかりと踏まえること。ブクマコメとかでぶつくさ言う暇があったら行動せよということ。

ステファヌ・クルトワ(他著)『共産主義黒書 〈コミンテルン・アジア篇〉』(恵雅堂出版)を読んだ。

→『共産主義黒書 コミンテルン・アジア篇』ポル・ポト政権下のカンボジアに一章が充てられているので、そこを読みたかったのである。周知のようにポル・ポト政権は、都市から人を追い出し、貨幣を廃止した。人は満足な食事も与えられなかった。批判は死を意…

安田敏朗『金田一京助と日本語の近代』(平凡社新書)を読んだ。

これは金田一京助という強烈な個性を通して帝国的言語政策の延命を論じたものである。本書の中で紹介されるアイヌ民族に関する文献―丸山隆司『〈アイヌ〉学の誕生』や西成彦・崎山正毅編『異郷の死』など―はたいへん参考になる。そして萱野茂の二つの文章―「…

フランコ・ヴェントゥーリ『啓蒙のユートピアと改革』

フランコ・ヴェントゥーリ『啓蒙のユートピアと改革』(みすず書房)を読んだ。 ↓啓蒙のユートピアと改革―1969年トレヴェリアン講義17−18世紀ヨーロッパの共和制論について、そして百科全書派の思想史的脈絡と伝播について示唆的である。 本書の刑罰権を…

算数

芳沢光雄『ぼくも算数が苦手だった』(講談社現代新書)を読んだ。 正直、タイトルで引いたのだが、その内容はというと… 算数ができなかった著者は、お父さんに面積とはどういうものなのかを(教えるほうとしてはとても手間暇のかかるやりかたで)習い、中学…

火星の写真

ジャイルズ・スパロウ『太陽系惑星』(河出書房新社)を読んでいる。98‐99ページ、火星のコロンビア・ヒルの写真の異様な美しさに打たれる。NASA/JPL-Caltech/USGS/Cornell とクレジットがあるので、NASAのウェブサイトでも見つかるだろう。

富山多佳夫『英文学への挑戦』(岩波書店)を読んだ。

目当てはエドマンド・バーク論だった。保守主義の神髄を示した書として知られる『フランス革命の省察』(原文には章立ても小見出しもないとのこと)は実は意外なほど啓蒙思想に近接しているとの主旨である。しかし、他の章、とりわけスコットランド留学記も…

フュレの革命史

支払いが後払いでよい極東書店からフュレの『フランス革命、1770-1814』(Blackwell Pub)が届いた。 和訳はないのだが英訳はある。ありがたい。

福沢諭吉の伝記

平山洋さんの『福沢諭吉』(ミネルヴァ書房)を読んだ。私はむかし福沢が学んだとされる土蔵に行ったことがある。昼でも暗いのに驚かされた。ともあれ、私のような中庸ナショナリズムの人にとって本書のスタンスは快いものである。著者の仮説―『丁丑公論』は…

ジャコバン独裁も独裁

柴田三千雄「フランス革命とヨーロッパ」(『世界歴史18』岩波書店、1970年、所収)を読んだ。岩波講座世界歴史〈第18〉近代 (1970年)フランス革命の核心をジャコバン主義に置きつつ同時代のヨーロッパ史に位置付けているのは興味深い。ただ、このジャ…

史観の成熟

フランソワ・フュレ『フランス革命を考える』(岩波書店)を読んでいる。歴史は善玉と悪玉でできているような単純なものではないことを、史実を綿密に追いつつ激しく説いた一冊である。「ドゥニ・リシェとともに五年前(注、1970年)に出版した一般読者向け…

基本だが

今日の掘り出し物は、西きょうじ『英文読解入門』(代々木ライブラリー)。解説が予想以上によい。

ショートの『ポル・ポト』は本当に決定版なのか(※日本語訳あり)(※※補足あり)

先日、フィリップ・ショートの『ポル・ポト―ある悪夢の歴史』(白水社)について書いたが、その位置づけはやや訂正されるべきかもしれない。 訳者の山形浩生さんは「本書は…これまでいくつかでているポル・ポトの評伝やクメール・ルージュ史に関する各種文献…

行方昭夫『英文快読術』(岩波現代文庫)

今日の掘り出し物だった。英文快読術 (岩波現代文庫)作者: 行方昭夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/03/14メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 19回この商品を含むブログ (16件) を見る猫猫先生は著者の授業を受けて英文を読む力が飛躍的に伸びたとの…

おそるべき共産主義の実験

フィリップ・ショート『ポル・ポト』(白水社)を読んだ。『ポル・ポト―ある悪夢の歴史』俗説では、ポル・ポトは都市民や知識人を抹殺するために都市から人を追い出したと言われているが、この本によると、抹殺それ自体が目的であったわけではなく、現場の責…

イエスの生涯

遠藤周作『イエスの生涯』(新潮社、1973年)を読んだ。イエスの復活をめぐる最終章は探求途上の観があり、文庫版[→イエスの生涯 (新潮文庫)]はおそらく違っているのだろう。 [追記]そういうわけでもないようだ。

『責任と正義』はこう読め

北田暁大さんの『責任と正義』(勁草書房)を読んでいる。責任と正義―リベラリズムの居場所作者: 北田暁大出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2003/10メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (81件) を見るネット上にも示唆する人があるように…

「思想地図」創刊号

「思想地図」創刊号を買った。 NHKブックス別巻 思想地図 vol.1 特集・日本作者: 東浩紀,北田暁大出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2008/04/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 30人 クリック: 1,047回この商品を含むブログ (161件) を見る書籍に近い…

芦部信喜『宗教・人権・憲法学』(有斐閣)を読んだ。

宗教・人権・憲法学作者: 芦部信喜出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 1999/07/01メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (2件) を見るこの本は氏の事実上の遺著である。 アマゾンで氏の憲法教科書(→憲法 第四版)のレビューを見ると、折衷的だの何だのと…

田島正樹氏による、日暮吉延『東京裁判』(講談社現代新書)についての書評が出た。

http://blog.livedoor.jp/easter1916/archives/51415013.html 『週刊文春』に載ったそれも含め、プリントアウトしてきっちり読みたいと思う。 一読してすぐに気づいた点。「法哲学の若手論客たち」にとって実証性に依拠することが習い性になっているのは、ア…

植村和秀『丸山眞男と平泉澄』(柏書房)

植村和秀さんの『丸山眞男と平泉澄』(柏書房)を読んだ。 植村さんによる丸山の位置づけはたいへん面白い。彼によれば、丸山には三つの側面があって、それは、 (1)筆で世の中を動かそうとする政論記者 (2)日本思想史の研究家 (3)政治にコミットする一市民 …