戦後は伝統である―我々が今なすべきことは何か

 GHQマッカーサーによる日本の占領とはいったい何だったのか、根本から考える必要がある。
 戦争に負けないと日本が変わらなかった、変われなかったというのは残念なことである。
 とはいえ、農地改革もできた。憲法も新しくなった。こうした諸々は、我々の初心といってもいいように思う。(皆が同時体験したわけではないので、むしろ伝統というべきかもしれない。)
 それは、内外の数千万人の人びとの犠牲の上に成り立っており、たいへんな重みをもったものだと考えている。
 だとすれば、我々のなすべきことはおのずと明らかだろう。

 なかでも私は、言いたいことを堂々と言うこと。言論の自由を行使することが、いま何よりも大切なことであろうと思う。(それができない世の中になってしまってからでは遅いのである。このことは、戦前の歴史を見れば簡単に推測できよう。)