東浩紀さんの原点を思い出せ

はてな界隈では東浩紀さんの書くものを槍玉に上げるのが普通になってしまった感がある。この傾向は何とかならないものだろうか。
そもそも彼が世に出るきっかけとなったのはソルジェニーツィン論である。全体主義的国家権力のもとで、人の生死が確率的に決められてしまうという状況を取り上げたものだ。こんにちの目から読み返してもやはり新鮮である。
共産主義批判をモットーとする人はぜひ一度読んで頂きたいものである。
逆の立場の人はぜひ、若く優秀な東浩紀さんが切り出した問題と向き合って頂きたいと思う。
思想家は最初に書いたものに全てが表れているということがよく言われる。
そして、ある思想家を論じるのであれば、その最も低い部分をあげつらって済ませるのではなく、最も高い部分を乗り越えることを目指すべきなのである。