ブラームスの交響曲の4番を聴いている(カルロス・クライバーがウィーン・フィルを振ったもの)。

ブラームス:交響曲第4番

ブラームス:交響曲第4番

 昔はきちんと聴く気になれなかった。イエスによる第三楽章のカバーは知っていたけれども(『こわれもの』収録)。シューマンは天才だがブラームスはそうではないといった、ありがちな先入観があったのだ。これが若さか。要は、若さゆえにわからなかっただけなのである。

 ここには人生があると思う。やるせない思いがあり、その超克があり、喜びがあり、わきあがる激情があり、それらいっさいの統合があるのである。