夜と霧
V.E.フランクル(霜山訳)『夜と霧』(みすず書房)を読んだ。
ずいぶん前に買ってあったのだが、今まで読めずにいた名著である。
取り上げたい点がたくさんあるが(*)、ここでは「苦悩の消滅」について取り上げる。
彼はあのアウシュヴィッツの言語に絶する体験の中で「強制収容所の心理学」について講演するところを思い描いたという。(p.178)
そしてスピノザの『エチカ』から「苦悩という情緒はそれについて明晰な表象をつくるや否や消滅してしまう」というくだりが引かれる。
なお WASHINGTON SQUARE PRESS から出ているペーパーバック "MAN'S SEARCH FOR MEANING" は、活字の一部欠け等もあるが、廉価で、ロゴセラピーについての論文も入っていて有用である。
- 作者: Viktor E. Frankl
- 出版社/メーカー: Pocket Books
- 発売日: 1997/12/01
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(*)たとえば、訳についてだとか、アガンベンの取り上げた論点についてなど。