国民による法案提出権を確立しよう

毛利透『民主政の規範理論 憲法パトリオティズムは可能か』(勁草書房)を読んだ。

民主政の規範理論―憲法パトリオティズムは可能か

民主政の規範理論―憲法パトリオティズムは可能か

多岐にわたる論点の中で取り上げたいことは尽きないが、さしあたりここでは筆者による制度的提言に焦点を当てる。
その提言とは、国民の作成した法案を国会に提出できる制度の確立である(283-285ページ)。筆者は、10以上の都道府県において全有権者の50分の1の署名を集めることを条件にしてはどうか、これは今の憲法下でも可能だ、と言っている。
いい方向での提案だと思う。これを叩き台として論議を重ね、実施に持っていくのがよい。
私の念頭にあるのは、とりわけ沖縄の米軍基地の問題である。さきの大戦がもたらした、解決すべき焦眉の問題である。