大久保孝治さんの「フィールドノート」より

大久保孝治さんの「フィールドノート」
http://www.f.waseda.jp/ohkubo/fn0509.htm
より引用

天野(注:恵一)は、「思想家論を書くための最良の条件とはいったい何か」という問いを立てて、「書き手が対象から強い思想的影響を受けていること、そうであるにもかかわらず、書き手が対象に対して断固たる批評意識を保持していること」と答え、しかし、「これから論じる清水幾太郎に対して、私は残念ながらこうした立場は持ち合わせていない」「批判意識ばかりが先行して、およそ共感が薄いのである」と自身のスタンスを述べている。
おっしゃる通りです。
この点は、天野よりはソフトであるが、小熊英二の『清水幾太郎 ある戦後知識人の軌跡』(神奈川大学ブックレット、2003)にも当てはまるだろう。
さて、これは本当にそうでしょうか。
私は、清水幾太郎の生い立ちのところ、そして、平和問題懇談会から内灘基地反対運動を経て六十年安保に突っ込んでいくところに、小熊による共感ともとれる表現を読み取ったのですが…

# 青年期および晩年期の清水幾太郎については、批判意識の先行というのは当たっていると思います。