より良い自己イメージを作るには

 ジグ・ジグラー(著)田中孝顕(訳)『成功イメージ・プログラム』(きこ書房、2007年)は、より良い自己イメージを作るための本である。
 本書の山場は第5章の、自己イメージを作る24の行動にある。それらの中には、サクセス・ストーリーを読むこと、大きな目標を立てて実行するときにはいくつかの中間目標を作ること、人びとに奉仕すること、成功した体験を思い出すこと、想像力をフルに使って理想の自己を作ること、思い切って人に物事を尋ねること…などがある。2つでも3つでも、生活の中に取り入れるといいと思う。
 訳者のポリシーなのか、普通「能力」と書くところを「脳力」と書いてある。言いたいことはわかるような気もするが一瞬ギョッとする。そのあたりも含めて訳者のねらいなのだろう。
 本文の中身を全て吹き込んだCDが付いているのは大きなメリットである。通勤・通学のときなどに聴けば「読む」必要はないかもしれない。
 それにしても、著者の体験談は―およそ体験談というものはほぼそうだが―興味深い。著者が職を得たときのエピソードには、「その手があったか!」と思わされた。応用も利くし、いま就活中の多くの人にとっても励みになるだろう。