あまりにもストイックな

私はちょうど、小熊英二氏の論文『「日本型」近代国家における公共性』(2000年、『社会学評論』200号)を読んだところだ。
氏は次のような意味のことを言っている:


近代の日本において、家族や地域・会社などの中間集団は国家の下請けとしての機能を担ってきたので、個人はそれらからの疎外感を抱きがちである。
新たな共同性と公共性を構想するには、共同体の再建は国家からの独立という方向でなされる必要がある。

氏の議論は相変わらず優れている。
しかし氏はそれ以上のことはここでは言っていない。
私は、彼があまりにもストイックだと思った。