小熊英二関連記事など

小熊英二関連記事
「第3回大佛次郎論壇賞」を小熊英二の『〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性』(新曜社)[→bk1,amazon]が受賞(同時受賞は篠田英朗『平和構築と法の支配―国際平和活動の理論的・機能的分析』(創文社)[→bk1amazon])。
朝日新聞に出ていた小熊英二関連記事より引用。
”資料は片っ端から読む。方法論や秘訣はない。小泉信三や田中美知太郎の著作集も全部読んだが、取り上げず(以下略)”
”近く、鶴見俊輔氏の聞き書きをまとめた本を出す。「あと、昔書いたアメリカ論を1冊にまとめます。それから、ナショナリズムの読みやすい教科書。ほかにも考えていますが(以下略)」”
■荷物が届く。待った甲斐があった。
■山住正己『中江藤樹』(朝日新聞社)を読了。著者の専門が教育史であるせいか、5章「近江の私塾」が一番面白かった。一部を引用する。
p.133 ”個別のための努力なしに、一般向けの教材は、とてもできるものではない。了佐という理解のおそい一人の学徒のために書いたこの書物の表題には「捷径」とあった。しかし、この場合それは安易な近道をしめした書物であることを意味していない。それどころか、この書物は当時としては珍しく体系立った本格的な医学書であった。藤樹は、捷径とは基礎から順を追って組織的に学ぶことだと考えていたに違いない。それこそ、急がば廻れ、と言いたかっただろう。戦前の教育史家・加藤仁平に、「教育の神としての中江藤樹」という論文がある。”
なお、ここの「神」の用法は2ちゃんねるのそれとかなり近いと思われ。