深いな…

 星野英一『ときの流れを超えて』(有斐閣、2006年)を再読した。これは深い。
 民法学の泰斗である著者が弟子二人に思い出をざっくばらんに話す形の本である。
 読み返すたびに発見がある感じ。

 今回、印象に残った点を二つ紹介する。

1.著者が留学していたフランスにみる民主政について。
「国民一人ひとりが立法者だという考え方が、そこらの店のおばさんおじさんでも、労働者でもみんなに滲みわたっている。デモなどは全く自由にやって意思表示をしています。裁判官もデモをしますね。事実、デモがあると、政府はかなり譲ります」

2.論文のテーマの見つけ方について。
来栖〔三郎〕先生の言。
「自分で、考え抜くことが大事で、そうすればテーマはどこにでも見つかる」

たいへんもっともな話だ。