ついに発売、『増補 ともに学ぶ人間の歴史』

 『増補 ともに学ぶ人間の歴史』(学び舎。発売は太郎次郎社)がついに発売になったので、書店に注文した。
 これは現場の先生方がボトムアップで作った歴史教科書である。教育委員会の決定などを気にする必要のない名門私立中高一貫校などで採用されている。
 私も教科書展示会でパラパラ読んだ。気になったところもあるが、全体として内容はそうとうに良いように思った。
 これは普通に売る本だから、文部科学省の検定で削られたところもきちんと載っているのではないか。楽しみである。

増補 学び舎中学歴史教科書 ともに学ぶ人間の歴史

増補 学び舎中学歴史教科書 ともに学ぶ人間の歴史

『戦争思想2015』(河出書房新社)加藤直樹論文について

 すぐれた時評集である。この中の、加藤直樹論文“「昭和十九年」を生きる”にしぼって紹介する。じっさい、これを読むだけでも元は取れるのではないだろうか?

 現在は昭和十九年に酷似していると著者は言う。すなわち、あの戦争の末期だ。

 GHQの占領と日米安保体制によって日本は敗戦処理植民地主義清算アウトソーシングできた。そのことは、フクイチの原発事故に対する支配層の無反省にもつながっているのではないか。著者はおおよそそのように指摘している。

 著者は近代日本の歩みを次のように整理している。すなわち、立身出世と進歩を軸とした帝国主義帝国主義というと、右翼や資本主義が思い浮かぶかもしれない。しかし「左」の潮流も例外ではなかった。たとえば中国の革命家に冷淡だった幸徳秋水(これについては、石母田正幸徳秋水と中国」の参照が求められている)。そして、大阪事件を起こした大井憲太郎。

 著者は「日米もし戦わば」ならぬ「日米もし戦わずば」のシミュレートをしている。日米開戦がもし回避できていたら、という話だ。実は、これがまた悪夢のようなシナリオである。第二次大戦が終わっても泥沼のような日中戦争は延々と続き、世界的な反植民地闘争の流れの中で日本は緩慢な痛みを伴う敗北を重ね、やがて朝鮮半島に飛び火する。軍部は体質を変えずに延命し、小作制度もそのままだから高度成長など夢のまた夢で…といった具合だ。

 なお著者が1980年代にアジアを回る中で見聞したことも書かれている。正直、予想以上にショッキングな話である。引用する気にはなれない。ぜひとも実際に読んでほしい。ほかにも、ページをめくるごとにハッとするような洞察をみつけることができる。

 著者にはぜひ、日本近現代史に関する通時的・総合的な論考をものしていただきたい。強く望む。著者の他の仕事も読んでみたいと思う。

〔補足〕id:kamayanさんのご指摘により、タイトルのミスを直しました。厚く御礼申し上げます。(それにしてもなぜ10年分も間違えたのだろうか。ゼロ年代とか言ってたけれども、2010年代になってからはまともなネーミングさえもない。あれだけのことがあったにもかかわらず。いや、だからこそなのだろうか?)

〔さらに補足〕id:dowhileさんのご指摘により、ブックマーク・ページのタイトルも直しました。ありがとうございます。

政治の分析

 中北浩爾『現代日本の政党デモクラシー』(岩波新書、2012年)を読んだ。リクルート事件から野田政権の終焉までを、政党の動きと民主政のあり方を軸に分析した好著。著者にはぜひ、第二次安倍政権を検証してほしいと思う。

[補足] 著者には『自民党政治の変容』(NHKブックス、2014年)があり、まさにそれを扱っているようだ。

市井の立派な人

 Jack Goldstone の本を読み進めた。

 英語のまとめ冊子に手を入れた。

 備品を注文した。

 小熊英二『生きて帰ってきた男』(岩波新書、2015年)を読んだ。市井の立派な人の伝記という感じ。

唐突であるが高校数学お薦め本

 Ian Kershaw の本を読み進めた。

 靴を磨いた。

 ウェーバー「客観性」論文の読み直しに取りかかった。

 ここで、高校数学についてのお薦めの本を一冊紹介したいと思います。それは、幸村百理男『「理快」する高校数学』(学生社、2001年)です。例えば正弦定理や余弦定理を導き出すやり方が鮮やかです。

「客観性」論文の話など

 スターバックスで考え事をした。

 書店でマックス・ウェーバー『社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」』(岩波文庫、1998年)を買った。

市野川容孝『社会学』とあわせて読むと、いかにスリリングな記述であるかがわかる。(それまでは、正直なところ、もったいぶったくどい議論だなあという印象だったんだけれども。)

 図書館で歴史の本などを借りた。